ご挨拶

理事長挨拶

一般社団法人国際個別化医療学会 理事長 阿部 博幸

 2014年6月14日(土曜日)、第18回国際個別化医療学会学術集会を、札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所ゲノム医科学部門教授 時野 隆至 会頭のもと、札幌コンベンションセンターにおいて開催できますことを、皆様方に深く感謝申し上げます。

 第18回学術集会はメインテーマを「パーソナライズド・メディシンの実践-ベンチからベッドサイドへ」といたしました。
 ヒトゲノム計画の完了から10年。かつては膨大な時間と費用をかけて解析したゲノムデータも、次世代シーケンサの登場によって短時間での解析が可能となり、個人が自分のゲノム情報を入手できるパーソナルゲノム時代はすでに到来しています。ゲノム情報に基づく個別化医療の発展は、予防、診断、治療のすべてに大きなパラダイムシフトをもたらしていますが、医療現場におけるその普及と理解については、依然としてスムーズに進んでいない現実があります。臨床家がどう解釈し日常の臨床へ活かしていけるか。推進のカギもここにあるのではないでしょうか。
 本学会が目指す個別化医療の発展は時代の要請です。法整備やバイオインフォマティクスの環境整備、倫理面を含めた社会的コンセンサスの醸成といった国のリーダーシップを必要とする課題とともに、治療のためのガイドライン作成や高度な知識を備えた人材養成など、結果を出さなければならない課題に対し、まさに今、個別化医療に関わる研究者と臨床家の力が試されていると感じています。
 本学術集会では、基礎から臨床応用のための研究への理解を深め、さらにはすでに実践されている個別化医療の現状について、知識や技術を習得する機会を提供いたします。明日からの臨床に役立つ、研究開発の最新情報に触れられるプラクティカルセッション(シンポジウム)を、新しい試みとして企画しました。参加者の皆様と一緒に学んでいきたいと考えております。

 6月の清々しい北海道札幌の地で、活発な議論が展開され、皆様の熱意にあふれた学術集会となることを期待しております。
 多くの会員の皆様のご参加はもとより、これからの日本の医療を担う若い医師や研究者、コメディカル、学生をはじめ医療に携わる幅広い方々のご参加を心よりお待ちしています。

会頭挨拶

第18回国際個別化医療学会学術集会 会頭 時野 隆至

 このたび第18回国際個別化医療学会学術集会の会頭を仰せつかりまして誠に光栄に存じ上げます。今回の学術集会はメインテーマを「パーソナライズド・メディシンの実践 - ベンチからベッドサイドへ -」と題し、札幌コンベンションセンターにて開催させていただきます。
 ヒトゲノム研究をはじめとする今日の生命科学の発展は、生命のメカニズム解明を推進し、がんや生活習慣病の分子機構の理解にも大きく貢献してきました。がん発生の分子メカニズムにもとづいて開発された分子標的薬ががん治療に利用されているように、疾患の本態解明をめざした基礎研究が、臨床応用されてその疾患の治療・診断につながっていくことが期待されます。このように飛躍的に進歩してきたライフサイエンスを基盤として、臨床研究を融合させたトランスレーショナルリサーチ研究が推進されています。個別化医療の進歩も、ヒトゲノム解読が完了されたこの10年間で加速され、様々な側面で更なる基礎研究が進展し、臨床応用への展開が期待されています。また、倫理的、社会的、経済的な側面からも多角的に検討し推進していく必要があります。
 第18回国際個別化医療学会学術集会では、メインテーマを「パーソナライズド・メディシンの実践 - ベンチからベッドサイドへ -」とし、近年のゲノミクス・プロテオミクス・メタボロミクスなど生命科学の著しく進展している領域の成果を踏まえて、患者個々に最適な治療法を選択して治療する目的で、新しい医療シーズを実際の医療現場に生かしていくための最新の研究開発について議論を深めていきたいと考えております。
 ご承知のように、「北の都」札幌は東京以北の最大都市でありながら、その魅力として恵まれた自然と山海の幸にあふれています。特に六月の札幌は梅雨もなく1年でもっとも過ごしやすい季節であります。この初夏の札幌で個別化医療の現状について理解を深め、さらに個別化医療の将来の動向について活発に討論していただけましたら幸いに存じます。初夏の札幌で皆様にお会いできることを楽しみにしております。

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