ご挨拶

理事長挨拶

一般社団法人国際個別化医療学会 理事長 阿部 博幸

 2015年5月24日(日曜日)、第20回国際個別化医療学会学術集会を、健康科学大学 教授 蒲原 聖可 会頭のもと、東京・内幸町のイイノホール&カンファレンスセンターにおいて開催できますことを、皆様方に深く感謝申し上げます。第20回学術集会はメインテーマを「オミックスと個別化医療-健康寿命の延伸に向けた臨床応用」といたしました。

 本年1月、米国のオバマ大統領は一般教書演説の中で、新しい方策「Precision Medicine Initiative」を表明しました。これは個別化医療を推進することを目的として策定されたもので、2016年の予算教書には2億1,500万ドルが盛り込まれることが明らかになりました。このイニシアチブの一環として、100万人を超える規模のコホート研究計画、がんの新たな治療開発を加速させる“cancer knowledge network”の構築、遺伝子検査やゲノム解析をより高速に行うための次世代シーケンシング技術開発の促進などが挙げられています。拙訳「個別化医療テキストブック」の扉には「2006年、米国上院に“ゲノミクスおよび個別化医療法2006”と題する法案を提出した米国大統領バラク・オバマ氏に捧ぐ」とあります。上院議員時代から個別化医療の推進を唱えてきたオバマ大統領ですが、いよいよその動きを加速させてきたようです。
一方我が国においては、安倍政権の下、最先端医療技術の研究開発について、予算を一元化し基礎研究から製品化までをシームレスに支援する日本版NIH(米国国立衛生研究所)「日本医療研究開発機構」が本年4月に発足いたしました。日本の医療イノベーションが飛躍的に進展することと期待しております。オバマ政権のイニシアチブの中には、官民を越え、これに係わるすべての人々の強固なパートナーシップが謳われています。我が国においては年間40兆円を超える医療費問題克服のためにも、インパクトのある対策とAll Japanでの取組を国主導で加速させていくことが急務であると考えます。

 本学術集会では、個別化医療の進展を加速させる最先端の研究内容やすでに臨床応用されている情報の発表を通して、知識・技術習得の機会を提供いたします。特別講演として、国立がんセンター研究所の落谷孝広先生に、細胞間コミュニケーションを担うエクソソームとその臨床応用について論じていただきます。また、4月から開始された食品の新しい機能性表示制度の要点について情報共有してまいります。
恒例のプラクティカルセッションは、気鋭の先生方をお迎えいたします。白熱した議論の展開を大いに期待しております。参加者の皆様と一緒に学んでいきたいと考えております。

 2020年のオリンピックを控え、東京も次第に活気づいてまいりました。今回は、会員の皆様のご要望にお応えして、開催日を日曜日に設定いたしました。熱気あふれる学術集会となることを期待しております。
多くの会員の皆様のご参加はもとより、これからの日本の医療を担う若い医師や研究者、コメディカル、学生をはじめ医療に携わる幅広い方々のご参加を心よりお待ちしています。

会頭挨拶

第20回国際個別化医療学会学術集会開催にあたって

第20回国際個別化医療学会学術集会 会頭 蒲原 聖可(健康科学大学)

 このたび、第20回国際個別化医療学会学術集会の会頭を拝命いたしました。記念すべき第20回大会を担当させていただき、誠に光栄に存じます。
 今回の大会のテーマは、「オミックスと個別化医療 --- 健康寿命の延伸に向けた臨床応用」としました。
 オミックス(omics)とは、網羅的な生体分子に関する研究分野であり、具体的には、ゲノミクスやトランスクリプトミクス、プロテオミクス、メタボロミクスなどがあります。オミックス研究は、生体のダイナミックな状態を明らかにすることができ、先制医療から予防医療まで、広い分野に応用できます。例えば、遺伝子変異検査は、すでにセルフケアでも広く用いられています。
 本学会が目指す個別化医療は、個体差・個人差に注目する全人的なテイラーメイド医療であり、その手段として、オミックス研究の臨床応用による大きな成果が期待されます。
 個別化医療に基づく疾病予防・治療の臨床実践では、薬剤や臨床検査から機能性食品まで、多岐にわたる分野の知見が求められます。また本年は、機能性表示食品制度が整備され、機能性食品・サプリメントを取り巻く状況が変化し、個別化医療の選択肢として応用できる環境が広がりつつあります。
 本大会のプログラムでは、特別講演の他、前回の大会に引き続いて、プラクティカルセッションを設けております。臨床実践にあたられる先生方に向けて、有用な最新情報を積極的に取り上げていきたいと考えております。
 第20回学術集会が、個別化医療の臨床実践において、次のステージに進める機会になるように願っております。皆様の力を集結することにより、会を盛り上げて頂ければ幸いです。今回は、本学会として初めて日曜日の開催とし、アクセスの便利な都心の会場を利用いたします。皆様の多数のご参加を、心よりお待ち申し上げております。

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