第28回国際個別化医療学会学術集会

ご挨拶

会頭ご挨拶文

竹内 靖夫
東京女子医科大学元教授
西新井ハートセントラルクリニック

 この度、第28回国際個別化医療学会学術集会会頭を拝命しました元東京女子医科大学心臓血管外科教授の竹内靖夫です。
 新型コロナウイルス感染症の分類が2類から5類に分類されるようになり、世の中の変化と同じように、オンラインの学術集会から対面での学術集会開催が可能となってきました。本学術集会の開催にあたりましては、理事長の阿部博幸先生のご推挙ではからずも会頭をお引き受けすることとなりました。
 1973年、米国のクリーブランドクリニックにて、心臓血管外科レジデントであった私は、循環器内科医として活躍されていた阿部先生と初めてお会いしました。その後、日本に帰国してからも同じ循環器分野に携わるものとしてご交誼いただき、「日本シネアンジオ研究会」の設立やその他の学会活動において多大なるご指導をいただきました。出会いから50年、再び学会活動という場でお互いに語り合うことができることに、大変感慨深いものを感じております。
 さて、第28回本学術集会のメインテーマは「循環器領域における個別化医療の実践 Personalized Cardiovascular Medicine-overcoming the heart failure pandemic」といたしました。
 まずは学術集会の会頭指名講演として、埼玉医科大学総合医療センター心臓内科の重城健太郎先生に最新の心不全治療戦略についてのご講演をいただきます。さらに教育講演として、個別化医療に関するそれぞれ異なる分野でのご講演を予定しております。また、午後のディスカッションでは、腫瘍循環器学の最前線をテーマにおおいに論じていただきます。
 循環器学の診断治療の進歩は目覚ましいものがありますが、個々の疾患にはまだ問題が山積しており、本学会の目指す個別化医療の実践が必要とされております。特に本学術集会で取り上げた心不全の問題は国民の高齢化とともに重要性を増している分野で、私たちが解決に向けて注力しなければならない重点課題だと言えます。
 活発な議論を期待しております。皆様にお会いできますことを楽しみにしております。

理事長挨拶

阿部 博幸
一般社団法人国際個別化医療学会 理事長

2023年10月9日(月・祝)、第28回国際個別化医療学会学術集会を、東京女子医科大学元教授・西新井ハートセントラルクリニック 竹内靖夫 会頭のもと、東京都千代田区一ツ橋の学術総合センターにおいて開催できますことを、大変嬉しく思います。また、会員の皆様方には日頃のお力添えに深く感謝申し上げます。

すでにご承知の通り、個別化医療は患者さん一人ひとりに対する「最適医療」をいかにして実現するかがテーマであります。
今世紀に入り、急速に進んだ医療技術や薬剤の発展は、さまざまな疾患の克服に貢献してきました。一方で、その恩恵を受けるべき患者さんの副作用を複雑にし、受診すべき診療科が多岐にわたる事態をもたらしていることも事実です。まさに医療連携が不可欠な時代となってきました。

第28回学術集会では、循環器領域の個別化医療を取り上げていただきました。
我が国の2020年度の心不全患者数は推計で120万人を超えています。急増する心不全患者を前に、「心不全パンデミック」をどう回避するか、課題や取組みについて考えていきたいと思います。また、がんの10年生存率は53.3%(国立がん研究センター3月発表)と改善傾向は変わりませんが、抗がん剤の心毒性、腎毒性の問題がクローズアップされております。Onco-Cardiologyの最新の知見、医療現場での取組み等、参加者の皆様と一緒に学んでいきたいと思います。活発な情報交換を期待しております。

当日は、多くの会員の皆様のご参加はもとより、これからの日本の医療を担う若い医師や研究者、コメディカル、学生をはじめ医療に携わる幅広い方々のご参加を切に願っております。皆様のご理解・ご支援のほどよろしくお願いいたします。

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