第29回国際個別化医療学会学術集会

ご挨拶

会頭挨拶

Minako Abe  阿部 みな子
Hakushin Koseikai Medical Foundation
医療法人社団博心厚生会 副理事長

2024年11月17日(日)、東京にて開催されます第29回国際個別化医療学会学術集会におきまして、会頭をご指名いただきましたことを大変光栄に存じます。

本学術集会のテーマを「ライフスタイル医学と個別化医療-ライフスタイルゲノミクスはWell-beingをもたらすか」といたしました。
ライフスタイル医学とは、栄養、身体活動、睡眠、ストレス管理などのエビデンスに基づいたアプローチで健康を増進し慢性疾患を予防することを目的として、急速に発展してきた研究分野です。
World Health Organization(WHO)によれば、人々のライフスタイル行動が世界疾病負担(global burden of disease)の根底にあり主な死亡要因を占めている1)とされています。超高齢社会の現代においては、疾病だけでなく健康を維持することに焦点を当てた医療モデルへのシフトが急務となっており、ライフスタイル医学の担う役割は非常に大きいと言えます。
またGlobal Wellness Institute(GWI)は、“個別化ライフスタイル医学(Personalized Lifestyle Medicine)”を2023年度第1のトレンドとしてランク付けしており、バイオマーカーやデジタル技術によるデータ戦略を用いることで、個々人によって異なる遺伝情報、生活習慣、健康状態などに基づく個別化ライフスタイル介入の開発が可能であると予測しています2)。従来の方法ではなかなかうまく行かなかった疾患の予防・治療法に、行動変容を促す新たな解決の道筋が示されていると期待されています。

本学術集会では、ライフスタイル医学と個別化医療の融合、そしてそれが我々のゲノミクス、エピゲノミクス、メタボロミクスにどのように影響を与えるかなど議論を展開してまいります。参加者の皆様がこの未来医療の行方に強力な可能性を見出し、患者の治療や我々自身のWell-beingにもポジティブな変化がもたらされることを期待しています。
本学術集会が、個別化医療によって進展する未来へのインスピレーション、学び、意味のあるつながりの源泉となりますように期待してやみません。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。

  1. https://www.who.int/news/item/09-12-2020-who-reveals-leading-causes-of-death-and-disability-worldwide-2000-2019
    https://www.who.int/health-topics/noncommunicable-diseases#tab=tab_1
  2. Lifestyle Medicine Wellness Initiative 2023 Trends
    https://globalwellnessinstitute.org/global-wellness-institute-blog/2023/06/29/medical-wellness-initiative-trends-for-2023/

理事長挨拶

阿部 博幸(Hiroyuki Abe)
一般社団法人国際個別化医療学会 理事長
President, International Society of Personalized Medicine

2024年11月17日(日)、第29回国際個別化医療学会学術集会を、医療法人社団博心厚生会 副理事長 阿部みな子 会頭のもと、東京都千代田区内神田のアーバンネット神田カンファレンスにおいて開催できますことを、大変嬉しく思います。また、会員皆様方のご理解とご協力に深く感謝申し上げます。

厚生労働省が推進している「21世紀における国民の健康づくり運動(健康日本21(第三次))」が令和6年4月1日よりスタートいたしました。
第三次は、「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」を目指して、多様化する社会や個人にあって「誰一人取り残さない健康づくり」を推進、「より実効性をもつ取組の推進」に重点を置くとされています。
個人的には、「女性の健康」と「ライフコースアプローチ」という新たな項目が明記されたことが非常に重要であると感じております。性差や年齢、ライフステージに応じた健康増進への取り組みが国の政策として位置づけられたことに、大きな意味があるではないでしょうか。また、胎児期から発達期における生育環境が将来の健康に影響を及ぼすというDOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)の概念が注目されておりますが、2040年問題を前にして、まさにゼロ次予防に力を入れることで生活習慣病の影が薄くなっていくことを期待いたします。

第29回学術集会では、ライフスタイル医学を取り上げていただきました。
ライフスタイル医学の最新の知見、医療現場での取組み等、参加者の皆様と一緒に学んでいきたいと思います。活発な情報交換を期待しております。

当日は、多くの会員の皆様のご参加はもとより、これからの日本の医療を担う若い医師や研究者、コメディカル、学生をはじめ医療に携わる幅広い方々のご参加を切に願っております。皆様のご理解・ご支援のほどよろしくお願いいたします。

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