国際個別化医療学会誌

国際個別化医療学会誌
巻頭言
 国際統合医学会(International Society of Integrative Medicine: ISIM)が法人化され一般社団法人として新しいスタートを切りました。この節目において改めて,一人ひとりの幸せを願って多様なアプローチで行われている医療を,共通の物指しで語ることのできる医学へと議論を進め,そして学問的な体系を作り上げてゆくことの重要性を痛感しています。
 本学会は1999年設立以来,“integrative”の定義について模索してきました。それは,以下のようにまとめることができます。

統合医学の 5 つの体系:
1) 肉体と心の統合(原点)
 身体と心の両面からのアプローチ。いわゆる全人的,ホリスティックなとらえ方です。臓器別でなく,人間全体をみる医療の体系化です。
2) 治療,診断分野での統合(一次元的展開)
 一人の個人を前にして問題を解決するために,西洋医学のみならず,東洋医学,自然医学,伝統医学,温泉医学,アロマテラピー,栄養学,運動力学,その他いろいろな分野を,適合するものへ統合,融合した新しい体系を創造します。
3) 医療機関や施設との統合(二次的展開)
 一つの医療機関や施設で統合医療のすべての分野をカバーすることは現実問題として困難を伴います。従って,医療機関や施設間でのネットワークを有効に活用して,患者さんの要望に応えられるシステムを整えることも体系化の目標のひとつです。
4) 多職種との協働的統合(三次元的展開)
 医療,保健,福祉,介護,教育など他の職域との協調的な連携がより効果的な統合医療の実施に必要な体系化です。国際統合医療教育施設の設置もこの必要性に応えるものです。
5) ライフステージにおける経時的統合(四次元的統合)
 「ゆりかごから墓場まで」と言われるように,経時的にしかも統合的に対応してゆく必要があります。そこにはライフスタイルや生活習慣を含め日頃から努力が必要となります。昨今,特に問題となっている高齢者の健康障害や介護の問題を例にあげるまでもなく,日々の健康やアンチエイジングを生涯にわたってサポートする体系を作っていくのも統合医学の立場です。

 この体系こそが,統合的,包括的な医療医学へのパラダイムシフトと言えるのではないかと考えます。これを現実のものとするためには,本邦のみならず海外において多方面で活躍している方々の御参加をいただくことを期待しています。
 本学会で発行する国際統合医学会誌が統合医学の学問的礎石となってゆくことを確信しております。


一般社団法人 国際統合医学会(ISIM)
理事長 阿部 博幸
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