国際個別化医療学会誌
国際個別化医療学会誌
高沢 謙二
東京医科大学八王子医療センター循環器内科
【要旨】
最近,脈波への注目が急速に高まっている。この背景には,2006年にCirculationに掲載されたASCOT CAFE(Angio-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial-Conduit Artery Function Evaluation)研究1)の世界的拡がりがある。これは,血管拡張薬使用群とβ遮断薬および利尿薬使用群の 2 群で比較したところ,心血管系事故の発症が血管拡張薬群で有意に抑制されたというものであった。重要なことは,このとき,通常一般的に使用されている上肢におけるカフ血圧では両者に全く差がみられなかったということである。しかしながら,橈骨動脈脈波の記録からShygmoCorを使って算出した中心血圧では両者に明らかな差があり,血管拡張薬群で有意に低下していたというものであった。つまり,現在高血圧治療の現場で最も多く使用されている血管拡張薬を評価するときには,従来の血圧測定では限界があり,脈波記録を併用した血圧測定でなければ適切な評価ができないということである。この問題こそ著者が長年取り組んできたテーマである。また,中心血圧というのは理論的には血管年齢と全く同じものである。これらはもちろん医師にとって有用なものであるが,一般の方々にも疾病予防という観点でさらに有用なものである。これについては図 1 に示すように,一般向けに「血圧革命」として著書を講談社より出版すると共に,テレビを通じて具体的な心血管系疾病予防対策を含めて伝えた。ここでは,従来の血圧の常識は通用しないこと,そして脈波がその答えを出してくれることを中心に述べる。
最近,脈波への注目が急速に高まっている。この背景には,2006年にCirculationに掲載されたASCOT CAFE(Angio-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial-Conduit Artery Function Evaluation)研究1)の世界的拡がりがある。これは,血管拡張薬使用群とβ遮断薬および利尿薬使用群の 2 群で比較したところ,心血管系事故の発症が血管拡張薬群で有意に抑制されたというものであった。重要なことは,このとき,通常一般的に使用されている上肢におけるカフ血圧では両者に全く差がみられなかったということである。しかしながら,橈骨動脈脈波の記録からShygmoCorを使って算出した中心血圧では両者に明らかな差があり,血管拡張薬群で有意に低下していたというものであった。つまり,現在高血圧治療の現場で最も多く使用されている血管拡張薬を評価するときには,従来の血圧測定では限界があり,脈波記録を併用した血圧測定でなければ適切な評価ができないということである。この問題こそ著者が長年取り組んできたテーマである。また,中心血圧というのは理論的には血管年齢と全く同じものである。これらはもちろん医師にとって有用なものであるが,一般の方々にも疾病予防という観点でさらに有用なものである。これについては図 1 に示すように,一般向けに「血圧革命」として著書を講談社より出版すると共に,テレビを通じて具体的な心血管系疾病予防対策を含めて伝えた。ここでは,従来の血圧の常識は通用しないこと,そして脈波がその答えを出してくれることを中心に述べる。
■Key words:中心血圧,血管年齢,血管拡張薬
■連絡先 東京医科大学八王子医療センター循環器内科
〒193-0998 東京都八王子市館町1163
TEL:042-665-5611(代表) FAX:042-665-5639
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