国際個別化医療学会誌

国際個別化医療学会誌
原著
唾液アミラーゼ活性と酸化ストレス防御系の関係
Relation between salivary amylase activity and oxidative stress regulation system
中永士師明
秋田大学大学院医学系研究科医学専攻病態制御医学系 救急・集中治療医学講座
 ストレスには精神的なストレスから活性酸素が関与する酸化ストレスまで,様々なストレス反応が混在している。今回,交感神経活動によるストレスと酸化ストレスとの関係を明らかにするためにバイオマーカーである唾液アミラーゼ活性,酸化ストレス度,抗酸化力の関連について検討した。健常人20例に対して,40検体を測定した。唾液アミラーゼ活性は携帯式唾液アミラーゼ活性分析装置を用いた。酸化ストレス度(d-ROMsテスト),抗酸化力(OXY吸着テスト)はフリーラジカル評価装置を用いた。修正OXY/ d-ROMs比(修正比)を算出して潜在的な抗酸化力を評価した。全体,男性,女性のいずれにおいても,唾液アミラーゼ活性,酸化ストレス度,抗酸化力,修正比それぞれの間には有意な相関は認められなかった。唾液アミラーゼ活性は酸化ストレス防御系を反映するものではなく,両者は異なったストレス反応の指標であることが示唆された。
■Key words:唾液アミラーゼ活性,酸化ストレス,抗酸化力
■連絡先 秋田大学大学院医学系研究科医学専攻 病態制御医学系 救急・集中治療医学講座
〒010-8543 秋田市本道1-1-1 TEL:018-884-6185 FAX:018-884-6450
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