国際統合医学会誌 | 高濃度ビタミンC点滴療法の腎機能に対する効果

国際個別化医療学会誌

原著
高濃度ビタミンC点滴療法の腎機能に対する効果

Effects of intravenous high-dose vitamin C therapy on renal function

藤沼　秀光¹，阿部　七郎²，田口　功²，菊地　研²，豊田　茂²，有川　拓男²，天野　裕久²，鈴木　英彦²，井上　晃男²

¹藤沼医院
²獨協医科大学　心臓・血管内科

　末期癌患者に対し高濃度ビタミンC点滴療法が行われることがあるが，本療法の腎機能に対する影響は不明である。我々は癌疾患11例，腎硬化症1例，糖尿病性腎症1例に本療法(ビタミンC総量：385±174 g/月)を行い，腎機能の推移を観察した。治療開始1ヶ月後血中Cr値は1.00±0.19から0.79±0.18 mg/dlへと有意に低下した。腎障害を認めた1症例ではビタミンC点滴平均13 g/週で3週間後BUNが81から56 mg/dl，Crは2.84から2.52 mg/dlへと下降した。さらに2症例で血中クレアチンも1ヶ月後にそれぞれ0.19から0.10 mg/dl，0.50から0.36 mg/dlへと低下した。これらの結果よりIVCは糸球体機能に関わらず腎機能を改善すると考えられ，その機序として筋肉中のクレアチンリン酸代謝及び酸化ストレス性尿細管障害等に対するビタミンCの作用が示唆された。

■Key words：高濃度ビタミンC点滴療法，腎機能
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TEL：0285-53-7105　FAX：0285-52-2377