
国際個別化医療学会誌
国際個別化医療学会誌
原著
癌関連遺伝子マーカーによる分子標的免疫細胞療法の治療効果判定に関する研究
癌関連遺伝子マーカーによる分子標的免疫細胞療法の治療効果判定に関する研究
秋山真一郎,阿部 博幸
医療法人社団博心厚生会九段クリニック 免疫細胞療法センター
【緒言】分子標的免疫細胞療法の評価は,画像診断,腫瘍マーカーおよびQOLなどによって評価される。しかし,腫瘍が消失しているかどうかの判定には困難を伴っている為,新しい評価法の研究が求められる。【方法】静脈採血によって得られる血液から,Free DNA濃度と白血球の単核球分画に含まれる細胞について,がん関連遺伝子60個の発現レベルを検査することで,がんの活動状態を検討する。【対象】がん患者のうち,分子標的免疫細胞療法(がん抗原をターゲットとする樹状細胞がんワクチン)を行った連続する10例について1クール治療(5~7回ワクチン接種)の前後で,上記遺伝子マーカーを測定した。【結果】Free DNA濃度については,治療後上昇するもの下降するものがあり,平均値に差異はなかった。がん関連遺伝子の発現個数は3.8から0.9へ,および発現強度は,5.1から1.6へと低下した。この所見は臨床所見とも一致し,有用な評価指数となりうることを示唆している。【考察】腫瘍抗原の出現は,遺伝子変異により新しいエピトーブの出現,がん関連遺伝子の活性化,分化に関連した遺伝子の活性化,遺伝子の過剰発現によることがあげられている。今回の結果はこれら異常な遺伝子をもつ腫瘍細胞の退縮を意味するものと考えられる。
■Key words:癌関連遺伝子マーカー,分子標的免疫細胞療法,樹状細胞療法
■連絡先 九段クリニック 免疫細胞療法センター 〒102-0073 東京都千代田区九段北1-11-4 新光ビル6F
TEL:03-3263-0511 FAX:03-5210-7311
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