国際個別化医療学会誌

国際個別化医療学会誌
総説
医療現場におけるサプリメントの適正使用に向けた展望
Prospects for the appropriate use of the dietary supplements in integrative medicine
蒲原 聖可
健康科学大学
近年,機能性食品・サプリメントの利用者が増えている一方,医療現場では,サプリメントは医療用医薬品に比べて科学的根拠が十分ではないとの指摘もある。ただし,医薬品と同じ指標を用いてサプリメントの作用を検証することは,必ずしも適切ではない。サプリメントによる介入試験では,アウトカムについて的確な指標の設定が求められる。現時点では,サプリメント研究の多くは「科学的根拠を構築する段階」にあると考えられる。サプリメントの適正使用に際して,疾患別診療ガイドラインを整備し,個別化医療に応用するためには,さらに科学的根拠の集積が求められている。例えば,従来の評価指標に加えて,いわゆるOmics技術を応用した新規バイオマーカーによる評価法の検討も必要である。個別化医療の見地から,適正使用を前提としたサプリメントは,健康保持や疾病予防,病態の改善・治療における統合医療として応用できるであろう。
■Key words:サプリメント,科学的根拠,Omics,バイオマーカー,個別化医療
■連絡先 健康科学大学 〒401-0380山梨県南都留郡富士河口湖町小立7187
E-mail: kamohara-seika@umin.ac.jp
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