国際個別化医療学会誌

国際個別化医療学会誌
総説
プラセンタ療法
Placenta therapy
長瀬 眞彦
吉祥寺中医クリニック,日本胎盤臨床研究会 理事長
プラセンタ療法とは,胎盤を治療に使用する療法を意味する。加熱滅菌処理したヒト胎盤を皮下に埋め込む胎盤埋没療法とヒト胎盤抽出エキスからなる注射製剤を使用する方法の二種類がある。胎盤埋没療法は1930年代に旧ソ連・オデッサ医科大学教授のフィラートフ博士が始めた。その後,この療法が多様な疾患に効果があることが確認された。日本でもこの影響を受け1950年頃,胎盤埋没療法を始める医師が現れた。その後,胎盤埋没療法よりも簡単で安全にできる方法が1950年代中頃研究され「メルスモン®」,「ラエンネック®」という胎盤抽出エキスからなる注射液が日本で開発された。現在まで,この2つの注射剤はアレルギー疾患,慢性肝炎,膠原病,婦人科疾患,自律神経失調症,癌のQOL改善など幅広く臨床に応用されている。この2つの注射剤による有効例を提示しながら,作用機序の考察を含めてこの治療のもつ可能性を提示する。
■Key words:プラセンタ(胎盤)療法,ヒト胎盤抽出エキス注射製剤,メルスモン®,ラエンネック®
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