国際個別化医療学会誌

国際個別化医療学会誌
総説
地域医療から統合医療へ
~沖縄が世界長寿地域になった原動力~
From Community Medicine to Integrative Medicine
~Driving force to accomplish OKINAWA to be world longevity region~
鈴木  信
沖縄長寿科学研究センター
一般市民を含めて20万人以上の死者を出した沖縄戦。医療システムも崩壊し,医師不足の中で医介輔と公看が戦後の島民の健康を守り続けた。60年を経た今日,沖縄が単に復興しただけではなく,世界長寿地域とうたわれるようになった原動力はそこにあった。それは保健と医療を一体化した地域医療システムであり,包括医療を目指す統合医療の原形である。
Longevityは単に,長い時間を生きることを意味している。しかし時間には物理的な時間の長さを示すchronosと時間の質を示すkirosとがある。東洋でいう『長寿』とはQOLの高い時間を過した事へのお祝いであり『寿賀』を表している。それはspiritualityの高さ,つまり『生き甲斐』によってもたらされる。
今日の大災害から日本人のspirit(魂)が世界中から賞賛の的となったように,日本人には人を思いやる心や忍耐力,そして道徳心がまだ生きている。その心とパワーを活かして日本は必ずや復活するものと信じている。
■Key words:医介輔,公看(公衆衛生看護婦),生きがい,統合医療,長寿
■連絡先 沖縄長寿科学研究センター 沖縄県浦添市安波茶1-27-9 すえひろビル201
 PHONE&FAX: 098-874-4030 E-mail: orcls@nirai.ne.jp
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