
パーソナライズド・メディシン(個別化医療)とは
パーソナライズド・メディシン(個別化医療)とは

パーソナライズド・メディシン(個別化医療)とは、バイオテクノロジーに基づいた患者の個別診断と、治療に影響を及ぼす環境要因を考慮に入れた上で、多くの医療資源の中から個々人に対応した治療法を抽出し提供することです。個別化医療の基幹となる要素は、薬理ゲノム学やバイオマーカーのみならず、ライフスタイルや生活歴、人生観、現在の身体的問題など、患者固有の情報を浮き彫りにした個々人の医学的ポートレイトです。
「個別化医療の概念により、製薬企業は、より効果的な薬剤を、より副作用の少ないかたちで開発できるようになるであろう。医師は、患者の遺伝子プロファイルを入手でき、それによって既存の薬剤をより有効かつ安全に使用できるようになる。患者は、自らの遺伝子プロファイルを理解することで、より適切に健康管理を行えるようになる。」(個別化医療テキストブックより抜粋)。個別化医療は、適切な患者に適切な治療を適切なタイミングで提供する、患者中心の医療であると言えます。
近年、高齢者人口の増加、医療費の高騰などの社会問題から、「予防」の重要性が急速に高まってきています。従来の集団予防医療から、個人の疾患リスクを予測し、発症する前に適切な治療を行うことによって発症を防ぎ、その個別的な管理を行う、個別化予防・先進予防医療への進展が、個別化医療のさらなる深化につながると期待されております。
国際個別化医療学会では、個別化医療を実現する上でのトランスレーショナル・リサーチを臨床現場でどのように活用し、患者に治療を提供していくかという手法や技術についての議論や研究の場を、その活動を通してサポートしてまいります。
